偶然か必然か「紫電改」

戦争末期、日本本土に襲来するアメリカ軍爆撃機や戦闘機から日本を守るため、九州地区に設立された第三四三海軍航空隊は、知っている人も多いかと思います。 戦地から優秀な搭乗員をかき集め、エースのみで編成された三四三空は、紫電改という最高の戦闘機…

二つの顔をもつ戦闘機「飛燕」

三式戦闘機「飛燕」は、第二次世界大戦中に陸軍が正式採用をした唯一の液冷発動機を装備した戦闘機です。レシプロ発動機には空冷と液冷の二種類が使用されます。それぞれの特徴を見てみましょう。 空冷発動機は零戦、隼、F4Fワイルドキャット、P-47サンダー…

海上偵察のエキスパート

第二次世界大戦中、航空母艦が艦隊の主力を担い、航空機による奇襲攻撃が海上の戦闘の要となり各艦艇の電探はもちろん、上空からの偵察が先手必勝の鍵となりました。 しかし空母には戦闘機の搭載数が限られていたため、戦闘機や爆撃機を偵察用に改造したもの…

陸軍最強の邀撃機「鍾馗」

二式単座戦闘機「鍾馗」は、名前こそ一見すると一式戦闘機「隼」の後継機に思えますが、実は開発自体は同時期に行われています。また皇紀二年には、もう一機別の戦闘機が採用されたため、一人のりの鍾馗を単座、二人のりの屠龍を二式複座戦闘機としました。 …

海軍最強の邀撃機「雷電」

中国戦線では、中華軍の爆撃機から少なくない被害を被っていました。それまで最新鋭機を数々導入してきましたが、爆撃機を発見し邀撃に当たるまで零戦や隼では、爆撃機の高度まで上昇するのに時間がかかりました。そのため海軍は新たな航空機に優れた速度と…

零戦の光と影

中国大陸を席巻し、世界最強とまで言われた零戦ですが、1g単位で削られた軽量化はのちに最大の弱点となります。 真珠湾攻撃を成功させ、東南アジアの島々の空に縦横無尽に翼をのばす零戦でしたが、アメリカでは前項で述べたように有色人種にそのような戦闘機…

海軍機と陸軍機の設計思想

日本の戦闘機が本格的に戦闘を行ったのは、日中戦線のロシア機でした。当時の欧米諸国は、有色人種である日本人がまともに戦える飛行機など作れるわけがないと甘く見ていました。そのため中国戦線に新鋭機を投入することもなく、日本の量産機である九五式戦…

日本産航空機の産声

古来より人類は、大空を自由に飛び回ることを夢見ていました。熱気球、飛行船、グライダー、レシプロエンジン航空機・・・ このような空を舞うための力は、発明と同時に軍事に利用され、それまで地上や海上の戦闘に新たに空中という戦場が生まれ、空を制する…